日本ヒューレット・パッカード（HP）は2010年9月28日、企業向けストレージ装置の最上位製品「HP StorageWorks P9500 ディスクアレイ」を発売した。アプリケーションからのアクセスを設定に応じて優先処理する機能や、高速ドライブにアクセス負荷の高いデータを自動配置する機能を搭載。同社のUNIX機「HP Integrity」シリーズとの組み合わせによる、システム全体の可用性と性能の向上をうたう。価格は3280万2000円から。
優先度制御（QoS）機能の「HP StorageWorks P9000 Application Performance Extender」（APEX）は、サーバーまたはアプリケーションからストレージまでのエンド・ツー・エンドの帯域保証と最大遅延時間の設定が可能（写真）。APEXの管理サーバーがSANネットワークの優先度設定やP9500のリソース割り当てを集中制御することで、Windows/Linuxではサーバー単位、HP-UXではアプリケーション単位で優先度を設定できる。
アクセス負荷に応じて、SSD、SASハードディスク、SATAハードディスクの中から格納場所を動的に変更する自動階層化機能、複数のP9500を連結して最大性能/容量を拡張できるスケールアウト機能といった基本仕様は、OEM（相手先ブランドによる供給）元である日立製作所の「Hitachi Virtual Storage Platform」に準じる（関連記事）。APEXは同社独自の機能として、サーバー/ストレージの両事業部門が共同開発した。
今回のP9500で、従来のシリーズ名「HP StorageWorks XP」は姿を消す。同社は2008年に買収した米レフトハンド・ネットワークスのスケールアウトSANストレージ「HP LeftHand」も、2010年4月にHP StorageWorks P4000シリーズに改称。ミッドレンジからハイエンド製品の「HP StorageWorks P」シリーズへの再ブランディングを進めている。米ヒューレット・パッカードが同年9月27日に買収完了を発表した3PAR製品の扱いについては「現時点では未定」（日本HP）という。
