米Hewlett-Packard(HP)と米Oracleは米国時間2010年9月20日、HPの元最高経営責任者(CEO)であるMark Hurd氏のOracle移籍を巡りHPが守秘義務違反に当たるとして訴訟を起こしていた問題で、両社が和解したと発表した。Hurd氏はHPの企業秘密を保護しながら、Oracleでの新たな任務を遂行することになる。

 両社は詳細な和解条件について明らかにしていないが、HPが米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、Hurd氏はHP退職の際に受け取ったHP株式34万6030株の権利を放棄する。

 Hurd氏は、元契約社員に対するセクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)疑惑がきっかけで8月6日にHPを退社した。Hurd氏の経営手腕を高く評価していたOracleのCEO、Larry Ellison氏は、9月6日にHurd氏をOracle共同社長および取締役として迎えたことを発表した(関連記事:前HP CEOのマーク・ハード氏、オラクル社長に就任)。しかしこれを受けてHPは、Hurd氏のOracle移籍が、退職金受給の条件として結んだ企業機密保持契約に違反しているとして同氏をカリフォルニア州の上級裁判所に提訴。Hurd氏がHPの経営幹部として知った企業秘密を開示することなくOracleの社長職を遂行することはできないと主張していた(関連記事:HP、Oracleの共同社長に就任した前CEOを提訴)。

 和解に当たりHP最高財務責任者(CFO)兼暫定CEOのCathie Lesjak氏は、「両社は20年以上にわたって重要なパートナーであり、今後も両社顧客へ優れた製品とサービスの提供に取り組んでいくつもりだ」と述べた。

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[SECへの提出書類]