米Hewlett-Packard(HP)は米国時間9月13日、セキュリティソフト会社の米ArcSightを総額約15億ドルで買収することで両社が合意したと発表した。HPはArcSightの発行済み普通株すべてを取得する目的で、株式公開買い付け(TOB)を実施する。買収価格は1株当たり43.50ドルで、9月10日のArcSight株終値に24%のプレミアムを上乗せした。年内の手続き完了を見込んでいる。

 ArcSightは、米カリフォルニア州クパチーノに本拠を置く企業。SIEM(セキュリティ情報およびイベント管理)プラットフォームを手がけている。ネットワークをリアルタイムに監視し、不正アクセス、情報漏えい、サイバー攻撃から企業などの情報システムを守る製品、サービスを提供している。米国のほか、英国、フランス、カナダ、中南米、日本、インドなど世界各地に拠点を構えており、顧客数は約1000社・団体にのぼる。

 HPはクラウドコンピューティング分野の成長に期待しており、M&Aを進めて企業向けITサービスの拡充を図っている。最近は、セキュリティソフトの米Fortify Softwareやクラウド環境用データベースソフトの米Strataviaの買収を発表したほか、ストレージベンダーの米3PARをめぐって米Dellと買収合戦を繰り広げた(関連記事:HPとDellの3PAR買収合戦が決着、Dellが断念)。

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