2010年7月12日に発生したゆうちょ銀行のシステムトラブルの原因は、同行の勘定系システムを全国銀行データ通信システム(全銀システム)と接続する、「全銀接続用システム」(関連記事)の障害であることが分かった。システムは7月13日午前8時50分に完全復旧している。

 全銀システムは内国為替を処理するシステムだ。銀行は全銀システムと接続することで、自行の窓口やATM(現金自動預け払い機)から他行の口座に送金したり、他行の窓口やATMから自行の口座に送金したりできるようになる。

 トラブルがあったのは、この全銀システムとゆうちょ銀の勘定系をつなぐ、全銀接続用システムだ。同システムは、旧大和銀行の勘定系システム「NEWTON」をベースにNTTデータが構築したもので、日本IBM製のメインフレーム上で動作する(関連記事)。

 ゆうちょ銀はトラブルの原因を「ハードウエアの障害であることは分かったが、詳しい原因は調査中」(ゆうちょ銀広報)としており、障害があったハードウエアが何であるかは公表していない。

 システムトラブルは7月12日午後3時22分ごろに発生し、「ゆうちょ銀から他行への送金」、「他行からゆうちょ銀への送金」、「ゆうちょ銀キャッシュカードの他行ATMでの利用」、「他行キャッシュカードのゆうちょ銀ATMでの利用」ができなくなった。

 障害発生後、システムは段階的に復旧した。まず12日午後20時38分に、ゆうちょ銀のキャッシュカードの他行ATMでの利用、他行のキャッシュカードのゆうちょ銀ATMでの利用が可能になった。13日午前8時30分には、他行からゆうちょ銀への送金が可能になった。同日午前8時50分にゆうちょ銀から他行への送金ができるようになったことで、システムは完全に復旧した。