写真●謝罪する山下徹社長(右)と榎本隆副社長(左)
写真●謝罪する山下徹社長(右)と榎本隆副社長(左)
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 NTTデータは2010年6月25日、同社の社員が特許庁の職員に対する贈賄の疑いで逮捕された問題に関して記者会見を開いた(関連記事)。会見の中で山下徹社長は「お客様、株主の皆様、当社に関係するすべての方々に対して、ご心配、ご迷惑をおかけしていることを心から深くお詫び申し上げます」と陳謝した(写真)。

 同社は当局の調査に全面的に協力すると同時に、社内で事実関係を調査する。6月23日付で山下社長を委員長とする「社内調査委員会」を設置。この委員会で、本件の事実関係の調査のほか、他プロジェクトで同様の問題が起きていなかったかの調査、再発防止策の策定などを進める。「7月末をめどに一定の調査結果をまとめたい」と榎本隆副社長は話す。さらに、社外の弁護士を中心に「社外有識者検証委員会」を設置し、第三者の立場から社内調査委員会の活動の妥当性を検証する。

 逮捕された同社社員の沖良太郎容疑者の処分はまだ実施していない。「捜査結果を受けてから、本人や監督責任を持つ役員の処分内容を決める」(山下社長)。

 今回の事件を受け、特許庁の新規案件の獲得は、当面自粛する。そのほかの中央省庁や地方自治体に対しては、「先方の意向に従う。すでに指名停止の連絡が5件以上来ている」(榎本副社長)という。