米Google傘下のモバイル広告事業AdMobは現地時間2010年6月9日、米Appleが携帯電話「iPhone」の広告から同社およびGoogleを締め出そうとしていると非難する記事を自社公式ブログに掲載した。

 AdMobの設立者兼CEO(最高経営責任者)であるOmar Hamoui氏が問題視しているのは、Appleの新たな開発者向けの規約。「大小さまざまな開発者に損害を与え、消費者にとっても有害だ」と憤りを示している。

 Appleは6月7日に携帯電話の新機種「iPhone 4」を発表した(関連記事:Appleが薄さ9.3mmの「iPhone 4」を発表、6月24日発売)。同機種に採用するモバイルOS新版「iOS 4」では、自社の広告プラットフォーム「iAd」を実装する。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると、Appleが開発者向けiOS 4のリリースに合わせて改訂した規約では、他の広告ネットワークがアプリケーションに広告を掲載するために必要なユーザー情報を収集および利用することに関して、「モバイル広告提供を主要事業とする独立したプロバイダーに対して許可する」とし、「例えばモバイルデバイス、モバイルOSや開発環境の開発者またはディストリビューターの子会社あるいは関連会社は独立と認められない」と記載されているという。

 AdMobは、Googleが今年5月に買収したモバイル広告事業会社(関連記事:GoogleのAdMob買収計画をFTCが承認、「Appleの市場参入で懸念薄まった」)。買収計画発表当初は独占禁止法における問題が考えられていたが、Appleのモバイル広告市場参入でその懸念は薄まったとして、米連邦取引委員会(FTC)が最終的に承認したという経緯がある。

 Hamoui氏はブログ投稿記事で、「技術と革新の歴史では、競争が最良の結果をもたらしていることは明らかだ。人為的に競争を阻むことは、ユーザーと開発者に損害を与え、そして長い目で見れば技術の進歩を失速させる」と述べている。

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