米Googleによる携帯電話向け広告企業、米AdMobの買収計画について、米連邦取引委員会(FTC)は現地時間2010年5月21日、「十分な調査の結果、競争を阻害する恐れがない」と判断し調査を終了したと発表した。

 Googleは2009年11月、AdMobを7億5000万ドルで買収することで同社と合意したが、2社がモバイル広告ネットワーク分野で競合関係にあるため、FTCが調査していた(関連記事:GoogleのAdMob買収計画、FTCがより詳細な情報提出を要請)。

 FTCは今回の発表資料の中で、「当初独禁法上の重大な問題が生じると考えられていたが、最近の市場情勢の変化に伴い懸念は薄まった」と説明した。Appleもモバイル広告ネットワークを計画しているほか、多くの企業がiPhoneや、GoogleのAndroidに対抗するスマートフォンプラットフォームを開発、買収する動きがあり、市場競争が維持されると判断した。

 またFTCは、「Appleの市場参入により、iPhoneのプラットフォームにおけるAdMobの優位性が維持できるとは限らなくなった」とも説明している(関連記事:Apple、「iPhone OS 4」を発表、「マルチタスク」や「アプリ内広告」を追加)。

 FTCによる承認を受けて、Googleの製品管理担当バイスプレジデント、Susan Wojcicki氏は「素晴らしいニュースだ」とコメントした。「今後数週間以内に買収手続きを完了し、直ちに両社の開発チームと製品を統合する。モバイル広告市場の競争に参加できることをうれしく思う」と述べている。

[米連邦取引委員会の発表資料]
[Google公式ブログへの投稿記事]