図1 CATVユニバーサルポータルの概要
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図2 CATVユニバーサルポータルを実現するための技術
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図3 お勧め番組サービスのイメージ
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図4 パーソナル別TOP画面(簡単画面)
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図5 チラシ配信サービス画面(地図)
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図6 チラシ配信サービス画面(チラシ)
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図7 個人別マイメニュー設定画面(アバター)
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 パナソニック システムソリューションズ ジャパンとパナソニック AVCネットワークス社、イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)の3社は2010年6月1日、ケーブルテレビ(CATV)事業者向けサービスプラットフォーム「CATVユニバーサルポータル」についての記者発表会を開催した。今回の会見でパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、CATVネットワークを活用した新たなサービスプラットフォームの提供とサービスアプリケーションの受注を6月に開始すると発表した。さらに、イッツコムがパナソニック システムソリューションズ ジャパンの協力の下で行っているCATVユニバーサルポータルを活用した「パーソナルテレビポータルサービス」の実証実験の概要が報告された。

 CATV事業者やASP事業者などは、パナソニック システムソリューションズ ジャパンが新たに提供する「サービスプラットフォーム」を利用することで、「CATV加入者にポータルサービスを簡単に提供できる」(パナソニック システムソリューションズ ジャパン)という(図1)。ポータルサービスでは、自治体などの広報情報や、お天気情報、交通情報などの公共的な情報を提供できる。さらにCATVサービスならではの多チャンネル放送やVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスなどの映像配信サービスのメタ情報を、ポータル画面経由でより使いやすいユーザーインタフェースで提供する機能も搭載する。

 CATVユニバーサルポータルは、双方向ケーブルテレビネットワークを活用した様々なサービスアプリケーションの開発を可能にするサービスプラットフォームで、「ポータルサーバー」と「ポータルプレーヤーソフトを搭載するセットトップ・ボックス(STB)」で構成される。「3Dグラフィックスを活用して、豊かな表現力を有したCATV事業者向けポータルサイトが構築できる」「軽快な操作性を実現できる」「JavaScriptでポータルサイトを構築できる」「IPストリーミング動画に対応する」といった特長がある。ポータブルプレーヤーが搭載可能なSTBは、「TZ-BDW900M/900F/900P」と「TZ-HDW600M/ HDW600F/ HDW600P」である。追加ソフトライセンスの取得により搭載が可能になる。今後、発売するSTBにも順次対応を予定する。

 今回の会見では、パナソニック システムソリューションズ ジャパンがCATVユニバーサルポータルのために使っている最新技術を報告した(図2)。さらに、CATVユニバーサルポータルの活用例として、「お勧め番組サービス」(図3)や、Webサイトのコンテンツ素材を活用したテレビ向けの画面インタフェースを示した。

 続いて、イッツコムによる実証実験の概要が報告された。イッツコムは、2010年4月15日にこの実験を開始しており、6月4日までの実施を予定する。CATVユニバーサルポータルシステムを活用したユーザビリティー向上と次世代サービスの検討を目的とする。実験モニターの約30名による使用状況レポートをもとに、世代や視聴習慣の異なる加入者に、多様化するサービスを最適な形で利用してもらうためのユーザーインターフェースや操作性、コンテンツ展開などの検証を行う。

 具体的には、「3種類のトップ画面から好きなものを選択できる機能」(図4)や「スーパーマーケットのチラシ配信サービス」(東急ストアが協力、図5、6)、「加入世帯の個人別マイメニューの提供」(図7)などを行っている。イッツコムは今後、この実験の検証を基に、加入者と双方向でつながっているCATVの特徴を生かし、加入者一人ひとりに向けた各種情報の提供や、操作性の向上、次世代サービスへの活用などの検討を行う。パーソナルテレビポータルサービスの商用化の時期については、「現時点で未定」(イッツコムの執行役員である金井美惠氏)としている。

 CATVユニバーサルポータルのサーバーは、各画面を構成する素材をJavaScriptファイルとして提供する。一方でイッツコムはCATVユニバーサルポータルとは別に、地域情報提供システムであるMIL-Cシステム(Mansion Interactive Local Cables System、略称:ミルシー)を稼働させている(関連記事へ)。このMIL-CシステムはWebベースであり、Webサイト用のコンテンツ素材をそのまま表示する。