富士通元社長の野副州旦氏は2010年5月12日、同社の代表取締役と取締役としての地位保全を求める仮処分を横浜地裁に申請した。

 今回の仮処分申請は、野副氏が一時的に代表取締役に復帰して取締役会に参加し、辞任問題についての真相解明と野副氏の名誉回復を図ることが目的である。野副氏は、辞任については「詐欺による取り消し」または「錯誤による無効」に当たると主張。代表取締役に復帰することで、「早急に健全なコーポレート・ガバナンスを回復できるよう道筋をつけたい」とのコメントを発表した。

 なお、野副氏は3月にも仮処分を同地裁に申請したが、このときは反論の機会を得るために地裁の決定を待たずに、4月6日の結審日当日に取り下げている(関連記事)。