米Mozilla Foundationは米国時間2009年11月17日,オープンソースWebブラウザの次期版「Firefox 3.6」のベータ3版を公開した。前回のベータ2版から80件以上の修正を施した。スクリプトを非同期で実行させてページ読み込み時間を短縮したほか,新たに「Component Directory Lockdown(封鎖)」という仕組みを導入した。

 このComponent Directory Lockdownは,サードパーティのソフトウエア・コンポーネントがFirefoxのコードが格納されているコンポーネント・ディレクトリにアクセスするのを防ぐもので,MozillaがFirefox 3.6で新たに実施する機能拡張に関するポリシーを意味する。

 MozillaのJohnathan Nightingale氏は開発者ブログの中で次のように述べている。「Firefoxの機能を拡張するには,(ほかの)アプリケーションがFirefoxのコンポーネント・ディレクトリにアクセスする方法と,アドオンを使って機能拡張する方法があるが,前者には特にメリットがない。後者はFirefoxのエコシステムを形成しており,このプロジェクトの根幹をなしている」。

 同氏によれば,前者の方法はFirefoxのアドオン・マネージャで管理できず,ユーザーに見えない。バージョン情報を持っていないため,Firefoxをアップグレードするなどして互換性が保たれなくなっても無効にする方法はない。これが機能/パフォーマンスの低下やクラッシュの原因になっているという。

 こうした問題に対処するため,「Firefox 3.6ではコンポーネント・ディレクトリはFirefoxだけが使うようにして,サードパーティにはそのドアを閉める」(Nightingale氏)。機能を拡張したい場合は,Firefoxアドオンのファイル形式「XPI」で実行するよう促している。XPIへの移行に関する情報は開発者サイトに掲載している。

 Firefoxの次期版「3.6」は,新版のレンダリング・エンジン「Gecko 1.9.2」を採用。JavaScriptの処理を高速化し,応答性などを向上させた。また導入済みのプラグインが最新版でないと直ちにアップデートするよう警告する機能などセキュリティ面を強化している(関連記事:Mozilla,次期Webブラウザ「Firefox 3.6」のベータ2版を公開)。

 ベータ3版は,Windows版,Mac OS X版,Linux版を MozillaのWebサイトでダウンロードできる。

[Mozilla公式ブログへの投稿記事1]
[Mozilla公式ブログへの投稿記事2]