米カリフォルニア州サンノゼの裁判所は,米FacebookがスパマーSanford Wallaceに対して起こしていた訴訟で,7億1100万ドルの損害賠償を同社に支払うようWallaceに命じた。Facebookは米国時間2009年10月29日に投稿した公式ブログへの投稿記事で「賠償金の大半は受け取れないと思うが,この判決がスパム行為抑止につながると期待している」とコメントした。

 Facebookによると,判事は被告人を裁判所侮辱罪で訴追するよう米連邦検察局に要請しており,被告は禁固刑に処される可能性がある。

 裁判所は今年3月初頭に,Wallaceとその他2人に対してFacebookユーザーへのアクセスを禁じる仮差止命令を下していた。3人がFacebookユーザーの承認を得ずにメッセージを送りつけたり,コメントをウオール(プロフィール・ページのコメント掲載機能)に書き込んだりして,米国スパム対策(CAN-SPAM)法や,米国コンピュータ詐欺および不正使用取締法などに違反したと判断したもの。

 Wallaceは“スパム王”として知られ,1990年代には1日に3000万通の迷惑メールを送信するなどしていた。2008年5月に,「MySpace」のユーザーにスパム・メールを大量送信した件で,2億3000万ドルの支払いを命じられている(米New York Times)。

 Facebookとスパム業者の訴訟については,昨年11月にも,裁判所がスパマーAdam Guerbuezに8億7300万ドルの損害賠償支払いを命じる判決を下している(関連記事:Facebook,スパム訴訟で過去最高の賠償金8億7300万ドルを勝ち取る )。

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