マン島のCanonicalは英国時間2009年10月26日,Linuxディストリビューションの最新版として,サーバー版「Ubuntu 9.10 Server Edition」とデスクトップ版「Ubuntu 9.10 Desktop Edition」を10月29日にリリースすると発表した。Webサイトで無償ダウンロード提供する。現在ベータ版を公開中。

 サーバー版はクラウド・コンピューティング機能を強化し,米Amazon.comの仮想サーバー・ホスティング・サービス「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」と互換性のあるクラウド環境「Ubuntu Enterprise Cloud(UEC)」を構築できる。Canonicalは,Ubuntu 9.10サーバー版をAmazon EC2用マシン・イメージ「Amazon Machine Image(AMI)」としても提供する。Amazon EC2環境とプライベート・クラウドであるUEC環境の両方で同じイメージを流用できるため,環境間の移行が容易という(関連記事:Canonical,2009年10月公開予定の「Ubuntu 9.10」はクラウド機能を強化)。

 さらに,サーバー版は仮想化技術「Xen」(ゲストのみ)と「Kernel Virtual Machine(KVM)」(ホストとゲストの両方)の利用が可能。USB 3.0に対応し,周辺機器とのデータ通信を高速化した。

 デスクトップ版は起動処理を改良し,立ち上げに必要な時間を短縮させた。音声処理機能や第3世代(3G)携帯電話ネットワーク対応なども改善している。データ・バックアップやファイル共有などが行えるオンライン・サービス「Ubuntu One」に標準対応した。

 デスクトップ版のサポート料金は年額55ドル。Ubuntu Oneの料金は,ストレージ容量2Gバイトまで無料,同50Gバイトまで月額10ドル。

[発表資料(サーバー版)]
[発表資料(デスクトップ版)]