マン島Canonical創設者のMark Shuttleworth氏はLinuxディストリビューション「Ubuntu」開発者向けメーリング・リストへの投稿で現地時間2009年2月20日,10月公開予定の将来版「Ubuntu 9.10」の開発コード名を「Karmic Koala」にすると発表した。サーバー向けはクラウド・コンピューティング機能,デスクトップ向けは起動時のグラフィックス機能を強化する。

 Karmic Koalaのサーバー版では,米Amazon.comの仮想サーバー・ホスティング・サービス「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」対応クラウド・コンピューティング環境を構築/運用しやすくする予定。UbuntuベースのAmazon EC2用マシン・イメージ「Amazon Machine Image(AMI)」を提供するなどして,簡単にアプリケーションを実行できるよう支援していく。

 米カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校(UCSB)のAmazon EC2互換オープンソース版クラウド・コンピューティング・ソフトウエア「Eucalyptus」にも対応させる。Eucalyptusを利用すると,Amazon.comのサービスを使うことなく,自前のデータセンター/ハードウエアでAmazon EC2のようなクラウド環境を構築できるという。

 デスクトップ版は起動画面を改良し,画像をより美しくスムーズに表示できるようにするという。米Red Hatの「Plymouth」と同じく,起動時にグラフィックス・カードを利用できるオプションの採用も検討している。

 ネットブック向けエディション「Ubuntu Netbook Edition」には,Linuxベースのモバイル機器向けソフトウエア「Moblin」から各種技術を導入する(関連記事:モバイルLinux Moblinの開発者は2000人以上,Intelも250人以上を投入)。

 なお,Ubuntuの最新版は現在「8.10」(関連記事:Ubuntuの新版「8.10」,まもなく公開)。次版は2009年4月に公開する予定の「9.04」(開発コード名は「Jaunty Jackalope」)。

[Shuttleworth氏の投稿]