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 書籍販売大手の米Barnes&Nobleは米国時間2009年10月20日,タッチスクリーン付きカラー画面の携帯型電子書籍リーダー「nook」を発表した。サイズ/重量はペーパーバックと同程度で,第3世代(3G)携帯電話網および無線LAN(Wi-Fi)経由で電子版の書籍や新聞,雑誌を入手できる。OSは米Googleの「Android」を採用した。Barnes&Nobleの店舗とWebサイトで10月21日より予約注文を受け付ける。11月末に出荷を始める予定。価格は259ドル。

 ディスプレイ・モジュールは米E Inkの電子ペーパー「Vizplex」。バックライトを使わず紙に印刷した文字と同じように反射光で読める。タッチスクリーンとカラー画面により直感的な操作が可能という。Barnes&Nobleが提供する書籍や20紙以上の新聞,雑誌に加え,ユーザーがPDF文書から変換したコンテンツを持ち運べる。標準で最大1500冊の電子書籍が保存可能。記憶容量16GバイトのMicroSDカードを装着すると最大1万7500冊保存できる。

 電子書籍のダウンロードは,Wi-Fiまたは追加料金無料の米AT&Tの3G網で行える。Barnes&Noble店舗では,Wi-Fi経由で電子書籍の無料「立ち読み」サービスを2009年中に開始する。

 nookは,友人などに電子書籍を無料で貸す機能も備える。貸出期間は最大14日。貸し出した電子書籍は,nookのほかBarnes&NobleがiPhone/iPod touchやBlackBerry端末,米Motorola製スマートフォン,Windows/Mac OS Xパソコン向けに提供している電子書籍リーダーで読める(関連記事:Barnes & Nobleが再び電子ブック市場に参入,販売サイトを新設Barnes & Noble傘下の米Fictionwise,BlackBerry向けの電子書籍リーダーを提供)。

 また,Barnes&Nobleと米Adobe Systemsは10月20日,電子書籍用PDFフォーマットとファイル形式EPUBの標準化や,コンテンツ保護技術の推進に向けて協力すると発表した。両社は,PDF表示ソフトウエア開発キット「Adobe Reader Mobile SDK」に対応した携帯端末への電子書籍販売も開始する計画。コンテンツ保護機能を付加したAdobe Reader Mobile SDKは2010年初め,電子書籍のリーダー・ソフトウエア「Adobe Digital Editions」と配信サーバー・ソフトウエア「Adobe Content Server」は2010年遅くにリリースする。

[発表資料(nook)]
[発表資料(Adobeとの提携)]