米Red Hatは米国時間2009年9月3日,各種のクラウド・コンピューティング・サービス間で相互接続性の確保を目指すオープンソース・プロジェクト「Deltacloud」の開始を発表した。さまざまなパブリック/プライベート・クラウドを単一のAPIやツールで利用できる環境を整えることで,開発者を支援する。

 同社によれば,現在のクラウド・コンピューティング・サービスは独自のAPIを用意している。DeltacloudプロジェクトはREST(REpresentational State Transfer)ベースの共通APIを開発し,複数のサービスを1つのコードから操作/管理できるようにする。

 具体的には,米Amazon.comの仮想サーバー・ホスティング・サービス「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」や,米VMwareのプライベート・クラウド環境などのAPIを相互にマッピングするドライバ・ソフトを提供する。さらに,Red Hatのサーバー向けLinux最新版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)5.4」で採用したカーネル・ベース仮想マシン(KVM)技術にも対応させる予定という(関連記事:Red Hat Enterprise Linux 5.4提供開始,仮想マシンにKVMを正式採用 )。

 Red Hatは,クラウド・サービス・ベンダー向けの認定プログラムを開始したほか,クラウド対応の価格モデルを検討するなど,クラウド・コンピューティング事業の強化を進めている(関連記事:Red Hat,クラウド事業者の認定プログラムを開始,認定第1号はAmazon Web Services 「クラウド向けの価格体系を検討中」---米Red Hat副社長 )。

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