米Appleは米国時間2009年8月3日,米GoogleのCEOであるEric Schmidt氏がAppleの社外取締役を辞任することを明らかにした。同氏は2006年8月より同社取締役会に加わっていた(関連記事:Google会長兼CEOのSchmidt氏,Appleの取締役に)。

 AppleのCEO,Steve Jobs氏はSchmidt氏のこれまでの貢献を称賛した上で,「残念ながら,Googleが『Android』と『Chrome OS』で当社中核ビジネスの分野にいっそう入り込んでいることから,当社取締役としての同氏の役割は縮小されることになる。そのため,われわれは双方ともに,今が辞任すべき時だという結論に達した」と説明した。

 Schmidt氏のApple取締役辞任については以前より噂されており,今年7月にGoogleがChrome OSの開発を発表した直後,英米メディアが大きく報じている(関連記事:GoogleのシュミットCEO,いよいよApple取締役辞任か---メディア各社報道 )。それによると,同氏はChrome OS発表後の会議で,取締役を降りるかどうかについてAppleと話をする意向を示していた。また,米連邦取引委員会(FTC)はそれ以前から,同氏がGoogleとAppleの取締役を務めていることについて,独占禁止法に触れるとして調査に乗り出していたという。

 両社は現在,Webブラウザ,モバイル向けプラットフォーム,パソコン用OSの分野で競合関係にある。加えて最近では,Googleの音声通信管理サービス「Google Voice」のiPhone向けアプリケーションを,Appleが「App Store」から排除したとの報道が流れた。これについては米連邦通信委員会(FCC)が調査を開始し,関連各社に質問状を送付している(関連記事:App StoreでのGoogle Voice承認拒否問題で,FCCが調査開始)。

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