「2010年度末に2000万という光の契約数の目標は困難といわざるを得ない」。NTT持ち株会社の三浦惺社長は2009年5月13日の決算会見で,従来から中間計画として掲げていた“2010年度に光2000万契約”の目標が達成できないという見通しを示した。光回線を求めるユーザー層には需要が一巡し,景気低迷の影響もあることから,今後も急激な伸びは期待できないとした。

 NTTグループは,フレッツ光のユーザー数について「2010年度末時点で累計2000万件」との中期経営目標を公表している。今回の決算で発表した2008年度末(2009年3月)での契約数は1113万。前年度からの順増数は約235万で,目標に掲げていた250万に到達できなかった(関連記事)。

 2009年度の順増数も250万を目標としているが「経済情勢も難しいため,見通しは困難」(三浦社長)。目標を達成したとしても,2009年度末(2010年3月)の契約数は1360万で,その1年後となる2010年度末に2000万契約に到達するのは困難だと判断した。

 今後の目標としては,引き続き2000万契約を目指していく。時期は「2010年度以降,できるだけ早期に達成したいという言い方にする」(三浦社長)としている。

 契約が伸び悩んだ要因としては,光回線を必要とするユーザーに既に行き渡った,映像サービスなど光の特徴を生かしたサービスが十分でない,景気悪化の影響で住宅着工が減ったため光導入の機会も減った,などを挙げる。通信料金の高さが原因ではないかとの質問に対しては「単純な値下げは難しい」(三浦社長)と述べるにとどめた。