NTT持ち株会社とNTT東西地域会社は2009年2月27日,2009年度(2010年3月期)の事業計画について総務大臣に認可申請したと発表した。

 FTTH(fiber to the home)サービス「フレッツ光サービス」の純増計画については,NTT東日本が140万件,NTT西日本が110万件で合計250万件とした。これは2008年11月に下方修正した2008年度の目標値,合計280万件を下回る。フレッツ光サービスの純増計画が前年度の数値を下回るのは今回が初めてのことである。要因としてNTT東日本の江部努社長は,「これまでの純増をけん引してきたADSLからFTTHへの移行ペースが緩んでいることに加え,景況の悪化,特に住宅の新規着工数の減少などが直接影響してくる」とした。今回の発表では,2008年度の純増見通しについても東西合計で250万件とし,秋に修正した目標に到達しないことを明らかにした。

 NTTグループは,フレッツ光のユーザー数について「2010年度末時点で累計2000万件」という中期経営目標を公表している。だが,計画通りユーザーを獲得できたとしても2009年度末時点の累計ユーザー数は1378万件程度にとどまる。これについてNTT東西は共に,「2010年度の2000万件の実現はかなり厳しい状況になった」との認識を示した。こうした状況を踏まえてNTT持ち株会社は,「(2000万件の目標については)2009年5月に予定している決算発表時までに,3月と4月の直近の需要動向を見ながら考えたい」(渡邊大樹・取締役経営企画部門長)とした。

 2009年度の純増計画のうち,2007年3月に商用化したNGN(次世代ネットワーク)の新規ユーザー獲得の見通しは,NTT東日本が80万件,NTT西日本が40万~45万件とした。2009年度末時点で,NGNの累計ユーザー数は160万件前後となりそうだ。

 アクセス回線の光化については,NTT東日本が300万心km,NTT西日本が70万心kmずつ延伸する計画。2009年度末時点のエリアカバー率はNTT東日本が93%,NTT西日本が89%となる見込みである。

 2009年度の収支計画では,NTT東日本が営業収益を1兆9300億円とし,2008年度見込みから300億円の減収,営業利益は2008年度見込みと同じ400億円とした。NTT西日本は営業収益を1兆7890億円とし,2008年度見込みから400億円の減収,営業利益を2008年度見込みと同じ50億円とした。

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