60GHzの電波を使い,通信速度1Gビット/秒以上で家庭内の機器をつなぐ無線規格の策定を目指す業界団体「Wireless Gigabit(WiGig)アライアンス」が2009年5月7日(米国時間)に発足した。室内にある家電,携帯機器,パソコンなど幅広い機器をつなぎ,大容量のデータ転送や動画のストリーミング配信といった用途に使うことを想定する。

 通信速度は機器同士が10m離れた状態で1Gビット/秒以上。機器によっては6Gビット/秒が出るという。機器の種類やメーカーによらず相互接続できる方式を目指しており,相互接続の認証テストも用意する方針である。

 主なメンバー企業は米アセロス・コミュニケーションズ,米ブロードコム,米デル,米インテル,韓国LG電子,米マイクロソフト,NEC,フィンランドのノキア,パナソニック,韓国サムスン電子など。WiGigの規格は2009年内に策定する。

 同じく60GHzの電波を使う高速無線方式としては,既にWirelessHDが登場しており,展示会などでデモ実演をしている(関連記事)。WirelessHDのジョン・マーシャル議長は,WiGigに対して,既に「現時点でWirelessHDは相互接続のテストプログラムを提供している」として,製品化に向けた過程としてはWirelessHDが先行しているとの見方を示している。

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■変更履歴
本文の第4段落で「ジョン・マーシャル議長兼LLCプレジデント」としていましたが,正しくは「ジョン・マーシャル議長」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/05/08 12:10]