写真1●東芝のパソコンにWirelessHD対応のセットトップ・ボックスをつなぎ,液晶テレビに動画を送る様子を見せていた
写真1●東芝のパソコンにWirelessHD対応のセットトップ・ボックスをつなぎ,液晶テレビに動画を送る様子を見せていた
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写真2●台湾アボコムが開発したWirelessHD対応のセットトップ・ボックス
写真2●台湾アボコムが開発したWirelessHD対応のセットトップ・ボックス
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写真3●日本テクトロニクスやアジレント・テクノロジーが製品テスト用の計測機器を開発
写真3●日本テクトロニクスやアジレント・テクノロジーが製品テスト用の計測機器を開発
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 薄型テレビなど家電同士でHD(高精細)映像データを送受信するための無線方式について標準化を進めている「WirelessHDコンソーシアム」は2009年1月8日,米国ラスベガスで開催されている2009 International CESの会場で,製品化に向けた方針説明会を開催した。通信規格のバージョン1.0は既に定まっており,2009年3月までには,製品化に向けた認証テストを開始する。

 WirelessHDは,米ブロードコム,米インテル,韓国LG電子,パナソニックなどが2006年から検討している通信方式。60GHz帯の電波を使い,最大で数ギガビット/秒の通信速度を実現する。電波の変調方式はOFDM(直交周波数分割多重)だが,通信に使う電波の帯域を約1.8GHzと幅広く取ることで高速化する。

 説明会では,WirelessHDチェアマン(議長)のジョン・マーシャル氏が「2006年の設立から2年が経過したが,高速で,簡単に設定でき,ケーブル接続が不要になるWirelessHDがますます求めれている」と説明。通信方式のスペック1.0は2007年末に決まっており,速やかに市場へ製品を投入する意向を示した。

 会場では,東芝やパナソニックが液晶テレビとパソコンやブルーレイ・レコーダーをつなぐデモを披露し,製品化の準備が順調に進んでいる様子を見せていた(写真1)。WirelessHD対応のセットトップ・ボックスを開発した台湾アボコムは,「2009年には量産を開始する」方針という(写真2)。

 2008年からは製品認証テストの開発も推進してきた。制御用チップは米サイビームが開発し,これを搭載した制御用ボードでは最大4Gビット/秒の速度が出るという。製品テスト用の計測機器は日本テクトロニクスやアジレント・テクノロジーが開発している(写真3)。