米商務省の米国電気通信情報庁(NTIA)は米国時間2009年3月5日,米国議会の追加出資によって,デジタル放送への移行支援のクーポン配布プログラムを完了するめどが立ったことを明らかにした。発行待ちの申請者に対する配給をすでに開始している。

 米国ではデジタル放送への完全移行にあたり,アナログ放送受像機のみ所有している世帯に対し,デジタル-アナログ・コンバータの購入を援助するクーポンの配布を行っている。補助額はコンバータ1台当たり40ドルで,1世帯につき最大2枚のクーポンを入手できる(関連記事:米地上アナログ放送の終了へクーポン・プログラムが始動,早くも100万世帯を超える申し込み)。

 NTIAによると,2009年1月4日の時点で,クーポン配布プログラムは予算枠に達した。現在230万世帯(410万枚分)以上がクーポンの発行を待っているという。

 本来,米国のデジタル放送完全移行は2009年2月17日の予定だったが,これを延期する法案が可決し,期限は6月12日となった(関連記事:米国議会がアナログ放送終了の延期法案を承認,デジタル完全移行は6月に)。しかし,テレビ局は米連邦通信委員会(FCC)の定めた手続きに従えば,期限を待たずにアナログ放送を打ち切ることができるため,すでに全米放送局の36%にあたる641局がアナログ放送を停止しているという。

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