米国議会がデジタル・テレビ放送への完全移行を延期する法案(DTV Delay Act)を承認したことを受け,米連邦通信委員会(FCC)の議長代理Michael J. Copps氏は米国時間2009年2月5日,法案可決を歓迎する声明を発表した。

 米国では2009年2月17日をもってアナログ放送を終了する予定だったが,これを6月12日まで延期する。同法案は米上院が1月29日に可決し,2月4日に米下院を通過。大統領が署名すれば成立する。Copps氏は,「全国的な2月17日の切り替えを実行できる準備が整っていないことは明らかだった」と述べている。

 米政府はデジタル移行支援策として,デジタル-アナログ変換装置1台購入につき40ドルを援助するクーポンを昨年より支給してきた(関連記事:米商務省,アナログ放送終了に向けデジ-アナ変換機1台あたり40ドル援助)が,まだ200万世帯以上がクーポンの配布を待っている状態だという。

 ただしテレビ局は,FCCの定めた手続きに従えば,2月17日以降,6月12日まで待たずにアナログ放送を打ち切ることができる。これまで期日の切り替えを目指して取り組んできた一部テレビ局にとっては,変更に対応するのが困難な可能性があり,その場合は柔軟に対処するよう議会はFCCに指示したという。

 FCCは早期のアナログ放送終了を考えているテレビ局に対し,視聴者の準備が整っているか,クーポンの履行状況などを考慮するよう呼びかけている。CBS,Fox,NBCなどは,6月12日までの延期に従う意向を示しているという。

[発表資料1(PDF文書)]

[発表資料2(PDF文書)]