ソフトウエア開発ツール関連の業界団体Eclipse Foundationはカナダで現地時間2009年3月2日，オープンソースのリッチ・クライアント・アプリケーション（RCA）開発プラットフォーム「Eclipse Riena 1.0」を公開したと発表した。RCA開発／導入環境「Eclipse Rich Client Platform（RCP）」およびランタイム技術「Equinox」上で動くRCAを開発できる。一連の主要コンポーネントをWebサイトでダウンロード提供している。

　Rienaの中核要素は，OSGi標準準拠のリモート・サービス・コンポーネント。ユーザー・インタフェース開発とバックエンド・システム統合を分けることが可能で，クライアント/サーバー形式のアプリケーションを容易に作れるという。バージョン1.0で提供するコンポーネントは，OSGiコンポーネント間の通信を制御する「Remote Services」，開発作業の基盤となるフレームワーク／ビルディング・ブロック「Riena User Interface and Navigation Components」，オブジェクト・レベルの変更を独立化させる「Object Transaction」，セキュリティ機能を実現する「Authentication and Authorization」，クライアントの動作状況を監視する「Client Monitoring」。

　バージョン1.0のリリースにより，RienaプロジェクトはEclipse内の早期プロジェクトから正式プロジェクトに移行した。今後は，2009年6月に実施する予定の年次集中リリース「Galileo」に向けて開発を進める。

　Equinoxは，OSGi標準に準拠するコンポーネント・フレームワークであり，オープンソースのソフトウエア開発環境「Eclipse」の中心的なランタイム技術。Rienaは，Equinoxベースのオープンソース・ランタイム技術プロジェクト「Eclipse Runtime（Eclipse RT）」のサブプロジェクトとして開発してきた（関連記事：Eclipse Foundation，ランタイム技術の新プロジェクトを発表）。

[発表資料へ]