米Microsoftによる買収提案に端を発した一連の対応について,米Yahoo!が社外アドバイザに支払った金額が7900万ドルにのぼることが明らかになった。

 同社が米国時間2009年2月27日付けで米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると,これにはMicrosoftとの交渉のほか,米Googleとの提携を含む戦略的選択肢の検討,委任状争奪戦や訴訟関連の費用などが含まれる。

 Microsoftは2008年2月,Yahoo!に総額446億ドルの買収を提案したことを発表(関連記事:「1社が支配するネット広告市場を変える」,Yahoo!買収提案でMSがGoogle対抗をあらわに)。Yahoo!はMicrosoftの提示額を「過小評価だ」として提案を拒否し続けた(関連記事:「著しい過小評価」,Yahoo!がMicrosoftの買収提案を拒否)。5月に入って,Microsoftは買収額を1株当たり33ドルに引き上げたが,Yahoo!が1株37ドルという価格に固執したため,買収を断念した(関連記事:【速報】Microsoft,Yahoo!への買収提案を撤回)。その後,Yahoo!全体ではなく検索事業を買収することで両社は交渉を再開したものの,意見が折り合わず6月に交渉を打ち切った(関連記事:Yahoo!とMicrosoftの交渉打ち切り,「全社的または部分的買収は無い」)。同時にYahoo!は,Googleとのオンライン広告に関する提携を発表した(関連記事:Yahoo!がGoogleのオンライン広告を採用へ,非排他的提携で合意 )。

 Yahoo!の株主である投資家のCarl Icahn氏は,Microsoftによる買収提案を受け入れるようYahoo!に迫り,委任状争奪戦を仕掛けた(関連記事:投資家Icahn氏がYahoo!会長にMicrosoftとの合併を提言,委任状争奪戦へ)。Yahoo!は同氏を取締役に迎えることで,委任状争奪戦を回避した(関連記事:Yahoo!,対立するIcahn氏を取締役に迎え,委任状争奪戦を回避)。

 しかし,Microsoftの提案を断って以来,Yahoo!の株価は下降し,業績も低迷。11月にはJerry Yang氏がCEOを退任する意向を明らかにし,今年1月に,米Autodeskの元会長であるCarol Bartz氏が新CEOに就任した(関連記事:Yahoo!,元Autodesk幹部のCarol Bartz氏が新CEOに)。

[SECへの提出書類]