シトリックス・システムズ・ジャパンは2009年2月24日、仮想デスクトップの新版「Citrix XenDesktop 3」を発表した。端末に対してサーバーからデスクトップ・イメージを配信する「デスクトップ・ストリーミング」を加えたことが特徴。クライアント・ハイパーバイザーの提供計画も明らかにした。

 XenDesktopは、画面転送型のシンクライアントを実現するソリューション。デスクトップの稼働環境をサーバー側に仮想マシンとして用意。OSとアプリケーション、ユーザープロファイルを別個に管理しておき、ユーザーごとにダイナミックに組み合わせて仮想マシンに流し込む。

 新たに加えたデスクトップ・ストリーミングは、仮想マシンではなく端末に対してデスクトップ環境を配信する機能。サーバー側でデスクトップ環境を一括管理しながら、端末のリソースを使って処理できることが利点だ。このほか新版では、プロファイル管理やスマートカードのサポートを強化した。画像や音声といったマルチメディアに対する処理を最適化する「Citrix HDX」技術も加えた。

 製品エディションはExpress/Standard/Advanced/Enterpriseがあり、デスクトップ・ストリーミングが使えるのはAdvanced以上。製品の最小構成価格(5同時接続デスクトップ分のラインセンス、および1年間のSubscription Advantageを含む)は、Standardが7万550円、Advancedが18万2750円、Enterpriseが27万6250円である。

 クライアント・ハイパーバイザーのの提供計画も明らかにした。ハイパーバイザーをクライアントに搭載することで、従来サーバー上で稼働している仮想マシン(デスクトップ環境)をそのままダウンロードしても使えるようになる。このクライアント・ハイパーバイザーはCitrix SystemsとIntelが共同開発中で、インテルのvProテクノロジーに向けて最適化する。2009年下半期に米国で提供開始する予定だ。クライアント向けハイパーバイザーはヴイエムウェアの仮想デスクトップ「VMware View 3」も搭載を進めている(関連記事)。