米IBMと米International Broadband Electric Communications(IBEC)は米国時間2009年2月18日,電力線を利用したブロードバンド・インターネット(BPL)のネットワーク構築を開始したと発表した。地方に住む約20万世帯を対象にした高速インターネット接続提供の実現を目指す。

 IBECは,米農務省の地域開発プログラムから低金利の融資を受け,ブロードバンド接続が普及していない地域へのBPL提供を目指して活動している。IBECとIBMは昨年11月に提携を結んでおり(関連記事:IBMとIBEC,電力線ブロードバンド接続サービスで提携),IBMはBPLネットワーク構築において技術知識の提供,プロジェクトの管理,作業スタッフのトレーニングなどを担当する。

 米国内には900近い電気協同組合があり,米国の電力供給網の45%を占め,サービス提供範囲は土地面積の75%にのぼる。そのうちアラバマ州,インディアナ州,ミシガン州,バージニア州の7団体が,今回の取り組みに協力する。

 BPLは,家庭や企業に引き込まれる電力線を使い,電力供給とともにブロードバンド・サービスを提供する技術。これにより,BPLモデム機能を持つパソコンやネットワーク家電を電源コンセントに差し込むだけで,インターネット接続などが利用できる。

 なお,Barack Obama米大統領が2月17日に署名した7890億ドル規模の米国再生・再投資法案(ARRA:American Recovery and Reinvestment Act)では,全米にわたる電力供給網やブロードバンド・ネットワークを含むインフラ整備に1500億ドルを投じる予定(関連記事:7890億ドル規模の景気対策法案,クリーン・エネルギーに1000億ドル)。

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