住友電工子会社のネットワークインテグレータであるスターネットは、4月1日から法人向け携帯データ通信サービス「STAR-Remote 3G」を開始する。NTTドコモから携帯電話網を借り受け、自社ブランドで携帯データ通信サービスを提供する。スターネットがいわゆる「MVNO」(仮想移動体通信事業者)となる。

 サービスの特徴は(1)独自の料金設定、(2)セキュリティの確保、(3)LAN・WANも含めた一体運用を提供することだ。携帯電話会社では対応しきれないきめ細やかな対応を売りにする。

 料金設定は1ユーザー当たり月額2900~4800円の準定額制となる。プランごとに設定された通信データ量の上限までは定額で利用でき、それを超えると従量課金になる。携帯電話会社との違いは複数のユーザーで上限データ量を分け合えること。例えば150万パケットのプランを10人で契約すると、10人合計で1500万パケットに達するまで定額料金で利用できる。このほか、ユーザーの利用実態に応じて、細かい料金設定を行う「カスタマイズプラン」も提供する。

 セキュリティ確保の手段は接続方法で2パターンある。一つは、携帯データ通信網をIP-VPNなどのWANと直結する閉域接続タイプ。スターネットのセンターに設置したゲートウエイ装置で携帯データ通信網とWANを接続する。インターネットを介さずにイントラネットに接続できるため、不正アクセスやウイルス感染のリスクを低減できる。5万円の月額料金と、スターネットのセンターに接続するためのアクセス回線料金がかかる。

 もう一つは携帯データ通信網から直接インターネットに接続するタイプだ。このタイプではスターネットのセンター内にファイアウオールを設置し、インターネット接続時に必ずファイアウオールを経由するように設定できる。インターネットVPN以外のプロトコルを許可しない設定などが可能。エンドユーザーがイントラネット以外に接続することを防止したりできる。プロトコル単位で接続制限する場合には無償だが、IPアドレスで接続制限するには月額5000円がかかる。

 LAN・WANも含めた一体運用はネットワークインテグレータゆえのサービスだ。スターネットはもともとLANやWANの構築、運用が本業。今回の新サービスの提供で、携帯データ通信まで含めてワンストップで運用管理を請け負えるようになった。

 なお、今回の新サービスでは日本通信がMVNE(携帯電話網の卸売事業者)として協業している(関連記事)。