米Microsoftは2009年1月6日(米国時間),2008年末時点でゲーム機「Xbox 360」の累積販売数が2800万台に達したと発表した。同社は2008年を「過去最大の販売を記録した」年と呼んだ。それどころか,信じがたいことにライバル製品であるソニーの「PLAYSTATION 3(PS3)」との「差を広げた」とまで主張した。もっとも,ゲーム機市場のトップ製品で,Xbox 360とPS3を圧倒的に引き離している任天堂の「Wii」には全く言及していない。

 Microsoft上級副社長のDon Mattrick氏は「2008年は,Xboxの販売およびオンライン・サービスが重要な成長を遂げた転換年として全世界で記憶されるだろう。世界中で,記録的な数のユーザーが多種多様なXbox用ゲームとエンタテインメントに押し寄せた」と述べた。

 具体的な販売台数を示そう。Microsoftは「全世界で使われているXbox 360が現在2800万台以上あり,PS3より800万台多い」としている(なお,PS3の発売はXbox 360より1年遅い)。この数字は,全世界でこれまで約3500万台売れたWiiに比べるとかすんでしまう。Wiiの市場登場もXbox 360の1年後だが,発売後は毎月Xbox 360を上回る売れ行きだった。こうした販売状況は,Xbox 360の大幅値下げ後も変わっていない(関連記事:Microsoft,米国でも「Xbox 360」を値下げMicrosoftが米国で「Xbox」を値下げ,エントリ機は200ドル未満に)。

 Xbox 360用オンライン・サービス「Xbox Live」のアクティブ・ユーザー数は,1700万人以上まで増えた。無料メニュー「Xbox Live Silver」を契約しているユーザーが大多数ではあるが,これまでの総売上高は10億ドルを突破している。同社によると,2008年末のホリデー・シーズン最終週(クリスマスを含む1週間)に150万人以上のユーザーが同時アクセスしたという。

 2009年に発売されるXbox 360用の目玉ゲームはほとんどない。そこで,同社はXbox 360のデジタル音楽/写真/ビデオ機能をこれまで以上に強く宣伝していく。2008年後半には,Xbox 360を米Netflixの映像ストリーミング・サービスに対応させた。ただし,このサービスは有料メニュー「Xbox Live Gold」に契約し,Netflixサービスの料金も支払わないと利用できない(関連記事:MicrosoftとNetflix,「Xbox 360」向けの映画配信サービスで提携)。さらに,同社は2009年にXbox Liveと携帯用メディア・プレーヤ「Zune」向けコンテンツ販売サービス「Zune Marketplace」を統合するらしく,現在奮闘している。