KDDIは2008年12月25日,MVNO(仮想移動体通信事業者)向けの卸標準プランを公表した。卸標準プランは,MVNOが移動体通信事業者の無線設備を借りてサービスを提供する際の料金や条件をまとめたもの。総務省は,MVNOが新規参入に当たって事業性を検証しやすいように卸標準プランの策定と公表を携帯・PHSの各事業者に要請していた(関連記事)。

 KDDIが今回公表したのは,MVNOが同社ネットワークとレイヤー3で接続してパケット通信サービスを提供する際の卸料金と条件。卸料金は帯域幅課金ではなく,ユーザーごとの通信量に応じて課金する方式を採用しており,基本料は月額1680円(税別,以下同じ)。パケット通信料は1パケット当たり0.04円で上限は2880円となっている。これは,KDDIがパソコン向けに提供しているパケット通信サービス「WINシングル定額 (シンプル)」を2割引きした水準である。開通手数料は1契約ごとに2700円かかる。

 端末はKDDIが有償で提供するが,MVNOが独自調達することも可能。最低利用期間は1年間で最低1000回線の契約が条件となっている。最低利用期間内に上記契約数を下回った場合,または契約の解除があった場合は不足の契約数や残余期間に応じた負担額を請求するとしている。

 このほか,卸標準プランでは,ユーザーの認証方法,IPアドレスの割り当て方法などについてもまとめてある。

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