総務省は2008年5月19日,MVNO(仮想移動体通信事業者)に関する法制度の解釈を整理した「MVNO事業化ガイドライン」(正式名称は「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」)を再改定した。

 2008年3月に公開した再改定案(関連記事)からの変更点は,(1)MNO(移動体事業者)がMVNOに対する標準的な卸料金プランや提供条件を策定すること,(2)ネットワークのふくそう対策についての注意点,(3)MNOとMVNO間でトラブルが発生した際の意見申し出制度の新設,(4)MVNOによる端末調達に対する技術基準の明示,(5)2.5GHz帯の認定を受けた事業者のネットワークを借り受ける場合,MVNOが直接050番号や060番号の指定を受けることが可能,の5点。

 (1)については同日付で,NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクモバイル,ウィルコム,イー・モバイル,KDDI系WiMAX事業者であるUQコミュニケーションズの6社に対して,MVNOに対する標準プランの策定と,一元的な窓口の明確化・公表を要請したことも明らかにした。

 これまでMVNOを希望する事業者からは「MVNO事業に興味があるが,どの程度の予算規模でできるのか分からず事業計画も立てられない」,「実際にMNOと交渉したが部署をたらい回しにされた」といった意見が寄せられていた。総務省はこうした事態を避けMVNOを活性化させるため,携帯電話事業者などへの要請という強い形で対処したことになる。

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