IX(internet exchange)事業者の日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)は2008年12月16日,インテック・ネットコアの協力のもと「IPv6v4 エクスチェンジサービス」を提供するための準備を始めたと発表した。

 IPv6v4 エクスチェンジサービスは,IPv6アドレスを持つインターネット・ユーザーがIPv4アドレスを持つサーバーにアクセスできるようにする。JPIXが,IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換する「トランスレータ」という設備を運営し,この機能をインターネット接続事業者(ISP)やデータ・センター事業者,CDN(contents delivery network)事業者といったJPIX加入者に提供する。

 このサービスを考えた背景には,IPv4アドレスの枯渇時期が近づいているという問題がある。IPv4アドレスの在庫がなくなると,例えば新規参入するISPがユーザーにIPv6アドレスしか割り当てられないといった状況になり得る。

 一方,IPv4インターネットとIPv6インターネットは,一定期間並行して使われると見られている。つまり,IPv6アドレスしか割り当てられていないユーザーがIPv4アドレスだけを持つサーバーにアクセスするケースが出てくることが予想される。JPIXはこうした事態に対処する手立てとして,IPv6v4 エクスチェンジサービスを準備することを考えた。

 同サービスの利用対象として,JPIXは「ネットワーク拡大に伴い,エンドユーザーに割り当てるIPv4アドレスがなくなってしまったISP」「新規に大規模なネットワークを構築するにあたり,はじめからIPv6アドレスでサービスを開始するISP」を想定している。

 JPIXは試験サービスを2009年9月に開始し,正式サービスを2010年7月に始める予定。試験サービスの提供対象は,JPIXの「首都圏サイト」(JPIXのスイッチが置いてある拠点のうち大手町,ベイエリア,第二大手町,豊洲,日本橋,天王洲を指す)につなぎこんでいる加入者となる。サービスの詳細は試験サービスを通じて決定していき,詳細はJPIXのサイトで随時公開していくという。

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