米Appleは米国時間2008年10月30日,有料オンライン・サービス「MobileMe」の最新アップデートの詳細を同社Webサイトのサポート・ページで明らかにした。各アプリケーションにおける言語対応の拡充と性能の向上,9月下旬のアップデートで確認した問題の解決などを図ったという。

 メール機能では,「全員に返信」を選んだときやキーボード・ショートカットを使用したときの不具合,メッセージ送信後も送信待ちボックスにメッセージが残るなどの問題を解消した。「Internet Explorer 7」での使用時のパフォーマンスも強化した。

 カレンダ機能では,一部ブラウザで表示がうまくいかなかった問題を改善。また,「Firefox 3」でのビュー切り替え,大量のTo Doリストの処理,最初のカレンダ表示などにおけるパフォーマンスを向上した。

 MobileMeは,立ち上げ時から数々の問題に見舞われた。同社の携帯電話「iPhone 3G」の発売前日にあたる7月10日に提供を開始し,従来サービス「.Mac」から自動的にアップグレードする予定だったが,メンバーシップの更新ができないといったトラブルが発生するなど,移行作業が難航した。Appleはこれに対する措置として,2度にわたりMobileMeアカウントの有効期間を無償で延長している(関連記事:Apple,「MobileMe」への移行トラブルでアカウントを30日間延長Appleが「MobileMe」の有効期限を再び無償延長,今度は60日間)。

 7月18日には,メール・サーバーのひとつがダウンし,MobileMeユーザーがメール・アカウントにアクセスできないという状況に陥った。アクセスが遮断された期間に届いたメールの閲覧と新規メールの送受信などは可能になったが,7月16日から7月18日に受信したメールの約10%は消失してしまった。また,サービス開始以来,予想を上回るトラフィックが集中したことにより,メールやカレンダなど,各種アプリケーションへのアクセスが中断することもあった。これには,サーバー容量の拡張などで対応した(関連記事:Apple,トラブル続きの「MobileMe」について状況報告を配信へ)。

 同社は,MobileMeの向上に常に取り組んでいることを強調。「オンライン・サービスという性質上,主にサーバー側のアップデート作業になるが,一般的なOSアップデートよりも影響は小さい。アップデートを行っていることはほとんど気づかれず,何か感じるとすれば,動作が良くなったというだけだ」と説明している。

[Appleのサポート・サイト]