米司法省(DOJ)は米国時間2008年10月30日,米Verizon Communicationsに対して一部資産の売却を要請すると発表した。Verizonの無線事業Verizon Wirelessが予定している米Alltel買収が著しく市場競争を妨げる可能性があると判断したため。

 Verizon Wirelessは今年6月に,米Alltelを買収する計画を明らかにした。約59億ドルでAlltelの株式を取得し,222億ドルの負債も引き受けるため,取引総額は281億ドルにのぼる見込み。Alltelは米国34州に1300万人以上の加入ユーザーを抱えている。同社のサービス対象地域には,Verizon Wirelessがサービスを展開していない地方57市場が含まれる(関連記事:Verizon WirelessがAlltelを買収へ,取引総額は281億ドル)。

 DOJは,同買収計画が成立すれば,価格高騰や品質低下,ネットワーク投資の縮小を招きかねないとして,Verizonに,22州で展開しているサービスのうち100のエリアを手放すよう求める方針。

 DOJの反トラスト局と,対象地域のアラバマ州,カリフォルニア州,アイオワ州,カンザス州,ミネソタ州,ノースダコタ州,サウスダコタ州の検事総長は同日,コロンビア特別区の連邦地方裁判所に,同買収計画を阻止する申立を起こし,同時に和解案を提出した。

[発表資料へ]