米Verizon Wirelessは米国時間2008年6月5日,携帯電話通信事業者の米Alltelを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。約59億ドルでAlltelの株式を取得する。222億ドルの負債も引き受けるため,取引総額は281億ドルにのぼる見込み。年内の手続き完了を目指す。

 Alltelは米国34州に1300万人以上の加入ユーザーを抱えている。同社のサービス対象地域には,Verizon Wirelessがサービスを展開していない地方57市場が含まれる。Verizon Wirelessは今後数年間で,第3.9世代と呼ばれる高速無線通信技術「LTE(Long Term Evolution)」を自社ネットワークに導入する計画であり,合併が実現すれば,Alltelおよびユーザーにとって第4世代に進む道が開ける。

 ちなみに米メディアの報道(New York Times)によると,Alltelは昨秋,米TPG Capitalと米GS Capital Partnersが275億ドルで買収している。今回のVerizon Wirelessによる買収案については,両社がAlltel買収時に受け皿企業として設立したAtlantis Holdingsも合意済みである。

 Verizon Wirelessは,Alltel買収により,減資と営業経費削減を通じて90億ドル以上の費用削減を実現できるとしている。買収取引完了後2年目から10億ドルのコスト節減を見込む。

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