写真●NTTの三浦惺代表取締役社長
写真●NTTの三浦惺代表取締役社長
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 NTTは2008年8月6日、2009年3月期の第1四半期決算を発表した。売上高は前年同期比83億円増(0.3%増)の2兆5936億円、営業利益は同728億円増(24.3%増)の3721億円、純利益は同251億円増(16.7%増)の1755億円と増収増益となった。大幅な増益となったのは、NTTドコモの端末販売費用が減少したため。ドコモは2007年秋から端末の販売方式を変え、割賦販売などを取り入れている。NTTの三浦惺代表取締役社長は「ほぼ想定されたライン。業績予想は達成できるとの感触をもっている」とした(写真)。

 増収増益ながらも「景気は厳しい面がある。特に設備投資と物価の動向が心配。SI事業は設備投資動向の影響が大きく、懸念を感じている。また、資源の高騰がコストアップ要因になる。グループ全体で約1000億円の電気利用料を払っており、値上げになればコストに跳ね返る」(三浦社長)と、マクロの経済動向について懸念を示した。

 このほか、NGNを利用した具体的なサービスの展開計画を明らかにした。まず、8月に企業向けのVPN(仮想私設網)サービス「フレッツ・VPNワイド」を開始する。東日本と西日本でネットワークを分けずに構築できるサービスで、詳細は8月7日に発表する予定だ。このほか、9月には最大1Gビット/秒の高速なアクセス回線サービス「フレッツ 光ネクスト ビジネスタイプ」の提供を開始。同月にハイビジョン品質のテレビ会議サービスも開始する。

 インターネット事業者との競争については「NTTレゾナントを中心に、自社グループでやるもの、他社との連携でやるものを見極めながらサービスを展開したい」とこれまでと変わらない見解を述べるにとどまった。“打倒グーグル”を掲げたソフトバンクとは、異なるポジションを狙う姿勢が伺えた(関連記事)。