写真●ソフトバンクの孫正義社長
写真●ソフトバンクの孫正義社長
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 ソフトバンクは2008年8月5日、2009年度第1四半期決算を発表。営業利益は前年同期比63億円増の850億円、経常利益は同31億円増の542億円とともに過去最高となった。ただし、売上高は前年同期比158億円減の6472億円と減収だった。

 売上高が減少した主な原因は、携帯電話の機種変更が前年同期比で34%減少したこと。端末販売売り上げが前年同期比139億円減となった。ソフトバンクは携帯端末の割賦販売を積極展開し、2年間利用し続けた場合に最もユーザーの金銭負担が少なくなるような料金体系にしている。孫正義社長は「短期で次々と買い換えるユーザーが減った。ユーザー間の負担がフェアになり、望ましいことだと思っている」と語った。

 孫社長は今後の事業戦略にも触れ、「競争相手は通信会社ではなくインターネット企業だと思っている。インターネット企業としてのソフトバンクは、EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)で米イーベイや米ヤフーを上回り、米グーグルに次ぐ。グーグルは成長率の低い欧米市場、パソコン中心のビジネスモデルなのに対し、我々は成長率の高いアジア市場、モバイル中心だ。世界ナンバーワンのインターネット企業を狙える」とした。

iPhoneの法人向け販売は今月中にも開始

 このほか、7月11日に発売した米アップルの携帯端末「iPhone」について多くの時間を費やしてアピール。孫社長は「先日、中国に出張したが、ここ十数年で初めてノートパソコンを1回も使わずに海外出張を終えた。業務のメールやスケジュールはすべてiPhoneでチェックした。移動時間だけでメールチェックが終わる体験で、人生観が変わるほどの衝撃を受けた」と自身の経験を引き合いにiPhoneの利点を強調した。

 また、法人向けのiPhone提供計画を初めて明らかにした。現在は個人ユーザーだけが対象だが「今月中にも法人向けの販売を始めたい。アプリケーションソフトを組み合わせて販売していくことも考えている」(孫社長)。ソフトバンクモバイル、ソフトバンクテレコムそれぞれの法人営業部門で販売するという。