日本IBMは2008年7月2日、マッシュアップの手法で企業向けアプリケーションを開発・実行するための支援ソフト「IBM Mashup Center V1.0」の出荷を開始した。社内システムの情報とWeb上の情報やサービスを組み合わせたアプリケーションを、エンドユーザー自身が手早く作成できるのが特徴だ。日本IBMロータス事業部の澤田千尋事業部長は「企業向けマッシュアップは成長が期待できる市場。この製品で市場のトップを狙いたい」と語る。

 Mashup Centerはマッシュアップの対象となる部品(ウィジェット)を作るための「IBM InfoSphere MashupHub V1.0」と、ウィジェットをどのように組み合わせるかの設計図を作るための「IBM Lotus Mashups V1.0」で構成する。

 InfoSphere MashupHubは社内外の複数のデータをビジュアルエディタで統合し、XML形式のフィードに変換してウィジェットを作成する。Web上のデータや企業内データベースのデータ、個人のパソコンにあるExcelデータなどを統合できる。作成したウィジェットをカタログに登録しておき、Lotus Mashupsから利用する。

 Lotus Mashupsはカタログからウィジェットを選び、ドラッグ&ドロップ操作でアプリケーションの設計図を作成する。エンドユーザーが利用することを想定し、ノンプログラミングで実行できる。6月に発表した開発者向けエンタープライズ・マッシュアップ支援ツール「WebSphere sMASH V1.0」(関連記事)で作成したウィジェットを利用することも可能だ。

 価格はユーザー課金と同社独自のCPUの処理能力に基づく単位「Value Unit(VU)」課金の2種類がある。IBM Mashup Center V1.0は20ユーザー単位で37万1800円。おおよそ1CPUに相当する100VU単位で629万2000円。InfoSphere MashupHubは20ユーザー単位で18万4500円、100VU単位で311万8000円。Lotus Mashupsは20ユーザー単位で18万7400円、100VU単位で317万5000円(いずれも税抜き)。