NECと米タイコテレコミュニケーションズは2008年6月24日、KDDIや米グーグルが参加する企業共同体から受託した日米間を結ぶ海底光ケーブルの敷設工事に着手した。開通後はネットワーク関連事業者の共同体「Unityコンソーシアム」が運用する(関連記事)。この共同体には、KDDIやグーグルのほか、インドのバーティ・エアテル、シンガポールのシングテル、香港のパックネット、マレーシアのグローバル・トランジットが参加している。

 Unityコンソーシアムはシステム提供者としてNECとタイコを選定し、2月に契約を締結していた。NECは日本側から、タイコは米国側から海底光ケーブルの敷設を進める。最終的に、日本の千葉県南房総市千倉町と米国ロサンゼルス間を結ぶ。

 敷設する海底光ファイバは複数の光ファイバのペアで構成する。WDM(光波長分割多重)技術を使うと、光ファイバのペア一つ当たり最大960Gビット/秒の通信容量を確保できる。敷設するケーブル全体では最大7.68Tビット/秒まで容量を拡張可能だ。

 総建設費は約3億米ドル(約320億円)にのぼる見込み。NECは日本側の海底光ケーブルの敷設を120億円で請け負う契約を結んだ。Unityコンソーシアムは2010年第1四半期(1~3月)の運用開始を予定している。YouTubeなど動画サービスの普及とともに、異国間の通信容量は拡大し続けている。Unityコンソーシアムは大容量の海底光ケーブルの敷設により、そうしたトラフィック需要の増加に対応する。