写真●NTTドコモの山田隆持・新社長
写真●NTTドコモの山田隆持・新社長
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 「7月1日からの1社体制,新しいロゴ,新ドコモ宣言のもと,明るく元気で活力ある会社,実行力のある会社,お客様に活力を提供できる会社へと変身する。変革とチャレンジ,そして実行。これが私からの約束になる」――。NTTドコモは6月23日に社長会見を開き,20日に就任したばかりの山田隆持新社長(写真)が抱負をこう述べた。

 山田社長は今後の事業活動のポイントとして,(1)お客様視点での変革,(2)新たな価値創造へのチャレンジ,(3)明るく元気で活力ある会社――の三つを挙げた。基本的な内容は,同社が4月18日に発表した「新ドコモ宣言」(関連記事)と同じである。

 (1)は現在,「(新ドコモ宣言に基づいて)ブランド・ロイヤリティを向上させるための25のプロジェクトが動いている。この実行こそが私に与えられた第一の使命。これがうまくいくかどうかでドコモの将来が大きく左右される。是非とも成功させたい」(山田社長)と話す。具体的には,ドコモショップの拡充,ネットワーク品質の改善などを挙げた。

 (2)は,携帯電話の特徴を生かしたサービスを拡充していく。「ID情報や位置情報,(ユーザーが肌身離さず持ち歩いているという点で)リアルタイム性を生かしてインターネットを進化させることに取り組んでいきたい」(山田社長)。その例として,ユーザーの趣味や嗜好(しこう),居場所などに応じて関連した情報をメールで配信するサービスを説明した。固定と携帯の融合サービス,異業種連携,国際展開なども積極的に取り組む。

 (3)は社内を活性化し,企業イメージの向上を図る。「純増数で他社に後塵を拝しており,右肩上がりのころに比較して活力が落ちている。最近のドコモは元気がない,対応のスピードが遅い,腰が重いなどと言われているのではないかと危惧している。お客様に対して活気あるドコモ,俊敏なドコモ,結束力のあるドコモに変えていく」と意気込む。

 質疑応答では,ソフトバンクモバイルが7月11日に販売を開始する米アップルの「iPhone 3G」(関連記事)について質問が出たが,回答は20日の株主総会と同じ(関連記事)だった。iPhone 3Gは「特に若い世代に魅力がある商品だと思っている。昨年の発売当初は驚がくの目で見ていたが,昨今は様々なメーカーからタッチパネルを採用した端末が出ており,PRADA Phone by LGやFOMA SH906iなどで対抗していきたい」(山田社長)とコメントした。「iPhoneの提供を諦めたわけではない」(同)とするが,交渉状況について米アップルとの秘密保持契約があるので話せないとした。