米映画協会(MPAA:Motion Picture Association of America)は米国時間2008年5月7日,米TorrentSpyとのあいだで争っていた著作権侵害訴訟において,ロサンゼルスの連邦地方裁判所がTorrentSpyに約1億1000万ドルの損害賠償支払いを命じたと発表した。

 MPAAは2006年に,著作権侵害行為でTorrentSpyを提訴した。TorrentSpyはMPAAが個人情報を不正に入手したとして同協会を逆提訴したものの(関連記事:PtoP関連の検索サイトが米国映画協会を提訴,「個人情報を不正に取得された」),裁判所は同社が裁判で不利となる証拠の隠滅などを図ったとし,2007年12月にMPAAの主張を認める判決を下していた(関連記事:米映画協会,TorrentSpyとの著作権侵害訴訟で勝訴)。

 TorrentSpyは,ピア・ツー・ピア(PtoP)配信のtorrentファイル向け検索エンジン「Torrentspy.com」を運用していた企業。著作権で保護された映画やテレビ番組のファイル交換などに利用されていたが,「米国では,著作権,検索リクエストに関するプライバシ,検索結果に表示されるtorrentファイルのリンクに対する法的規制が厳しすぎる」という理由で,2008年3月24日にサイトを閉鎖した。

 MPAA会長兼CEOのDan Glickman氏は,「多額の損害賠償支払いが命じられたことで,TorrentSpy.comのようなサイトが違法であるという強いメッセージを送ることができた」と述べている。

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