米映画協会(MPAA:Motion Picture Association of America)は米国時間12月18日,同協会が米TorrentSpyを相手取って起こした著作権侵害訴訟において,裁判所が訴訟を打ち切る判断を下したと発表した。裁判所は,TorrentSpyが裁判で不利となる証拠の隠滅および修正を図ったと認定し,これらの行為により審理が難しくなったとしている。

 米映画協会の上級副社長兼海賊版対策オペレーションのディレクタを務めるJohn Malcolm氏は次のようにコメントしている。「裁判所の決定は,MPAAのメンバー企業にとって大きな意味のある勝利であり,将来の被告に対してこのような行為は司法制度で認められていないという強いメッセージを送るものである」。

 裁判所は,「被告側は広範囲かつ組織的に証拠隠滅を図り,そのような隠滅行為の証拠を隠すために宣誓の下において偽の供述をした」とコメント。今回の判決において,裁判所はTorrentSpyが意図的にIPアドレス,モデレータの識別情報に関連するフォーラムの投稿など,いくつかの証拠を削除または修正したと認定した。裁判所は,これらの記録を保存するように指示した裁判所命令に違反したとして,すでにTorrentSpy側に罰金30万ドルの支払いを命じている。

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