米Comcastと米Pando Networksは米国時間2008年4月15日,ピア・ツー・ピア(PtoP)サービスの利用と提供に関する権利と責任について定めた「P2P Bill of Rights and Responsibilities (BRR)」 の策定で協力体制を敷くと発表した。業界の専門家,ISP,PtoPソフトウエア会社,コンテンツ・プロバイダなどに参加を呼びかけ,共同の取り組みを始める計画である。

 同取り組みでは,BRRがベスト・プラクティスとして機能するためのフレームワークの確立を目指す。PtoPアプリケーションの利用におけるユーザーの選択肢と管理,PtoPサービスの展開におけるISPのプロセスと慣習を明確にする。例えば,ユーザーはPtoPアプリケーションを使う際に,自身のコンピュータのリソースを管理する権限を持つといった内容。

 またComcastとPandoは,Comcastの光ファイバ・ネットワーク上でPandoのPtoP技術「Pando Network Aware」のテストを行う。PandoのPtoPアプリケーションを用いたファイル・ダウンロードに関するデータの取得と解析を目的とする。同時にPandoは,ケーブル,DSL,光ファイバ,無線といったさまざまなISPネットワークでもテストを実施し,パフォーマンス,速度,距離,地理的条件などによる影響の違いについても検証する。両社は,ファイル共有技術の活用を推進する団体P4P Working Groupととも,これらテストの結果を他のISPに公開し,PtoPサービスの最適化に役立てられるようにする。

 さらに,これらのテスト結果を踏まえて,Comcastはネットワーク管理手段の移行を進める。同社は3月に,ネットワーク・トラフィック管理について対立していた米BitTorrentとの歩み寄りを見せ,年内にネットワーク・キャパシティ管理をプロトコル非依存型に移行する事を決定している(関連記事:ComcastとBitTorrent,ネットワーク・トラフィック管理の問題で歩み寄り)。

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