写真●米インテル上級フェローのマーク・ボーア氏
写真●米インテル上級フェローのマーク・ボーア氏
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 「製造プロセス・ルールで45nmを実現したことは大きかった。2009年に32nmへと順調に進めることができそうだ」。米インテルの上級フェローのマーク・ボーア氏(Process Architecture and Integrationディレクタ)はこう語る(写真)。

 45nmを実現する上でインテルはハフニウムをトランジスタ素材として適用し、それまで製造プロセス・ルールを微細化するうえで大きな問題となっていた漏れ電流(リーク電流)を大幅に削減することに成功した(45nm製造プロセス・ルールについての関連記事)。これが現在の同社製プロセサに適用している45nmの実現に大きく寄与している。

 「45nmの壁を突破したのは非常に大きかった。過去40年のプロセサ開発史の中で、最も革命的なことと言っていい」とボーア氏はアピールする。「次の32nmを実現するのは、45nmの壁を越えることに比べれば難しくはない。当然各種の技術開発は必要だが、2009年には順調に32nmへと移行できそうだ」(ボーア氏)。

 インテルは「Tick-Tockモデル」と称して、製造プロセス・ルールの微細化とプロセサの基本構造であるマイクロアーキテクチャの刷新を交互に進めるスケジュールを立てている。製造プロセス・ルールの製品への反映という側面から見れば、2年ごとに微細化が進む格好だ。

 この計画を着実に遂行するには、研究成果を素早く製品に反映することがポイントとなる。「何よりも研究と製品開発のチームを同じ場所に集めて、常に意見交換ができるようにすることが欠かせない。開発チームのフィードバックがあってこそ、研究が生きる」(ボーア氏)。結果として、莫大な研究開発への投資が素早く回収できるようになる。

 インテルは2011年にも製造プロセス・ルールを32nmから22nmへと微細化する計画だ。