米Microsoftは米国時間2008年4月1日,同社が推進するファイル・フォーマット仕様「Office Open XML(OOXML)」が国際標準の承認を得たと発表した。現時点でISO(国際標準化機構)および国際電気標準会議(IEC)から正式発表はされていないが,オンラインで入手可能なドキュメントによると,賛成票が全体の86%を占め,承認要件である75%を満たしたという。

 すでにISO標準となっているオープンソースのオフィス・アプリケーション向けファイル形式「OpenDocument Format(ODF)」の普及促進を目指す団体OpenDoc Societyが公開したメーリング・リスト添付資料によると,全投票者のうち賛成票が61票(86%),反対票が10票(14%)だった(棄権16)。議決権を有する参加国(Pメンバー)では賛成票が24票(75%),反対票が8票(25%)となった(棄権9)。承認を受けるには,Pメンバーで66.66%以上の賛成票を獲得し,反対票は全体の25%以下でなくてはならない。

 OOXMLは2006年12月に国際的な標準化組織Ecma InternationalからEcma標準(Ecma standard)「Ecma-376」として承認を受け(関連記事:標準化組織Ecma,オフィス・アプリ向けファイル形式「Office Open XML」を承認),2007年4月にISOの国際標準化に向けたプロセスが始まったが(関連記事:Microsoftのファイル形式「Office Open XML」,国際標準化の投票段階へ),2007年9月の第1回投票では採用が見送られた(関連記事:MicrosoftのOpen XML仕様,ISOの投票で承認得られず採用見送り)。

 その後Microsoftは標準化案に寄せられたコメントに対する対案を作成し,2008年2月末にスイスで行われた会議「Ballot Resolution Meeting」に提出した。この結果を基に第2回の投票期間として,参加各国には3月29日までに前回の投票内容を変更する猶予が与えられた。この間にもODF推進団体やODFを支持する企業などがOpen XMLに対する批判を展開していた(関連記事:Microsoft OfficeのOpen XMLはISO標準になるか,再投票期限が3月29日に迫る)。

 MicrosoftでInteroperability and Standards部門ジェネラル・マネージャを務めるTom Robertson氏は「86%の賛成を獲得し,Open XMLは圧倒的な支持を受けている。当社製品にわたって同仕様をサポートし,今後も標準化団体や政府機関,業界各社と相互操作性および技術革新に取り組んでいく」と述べた。

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