米Microsoftは米国時間2008年3月25日,イタリアのシステム・インテグレータSourcesenseと「Microsoft Office」製品向けのオープンソース開発に関して協力すると発表した。Apache Software Foundationの優先プロジェクトのひとつである「Apache POI」で,Microsoftのオフィス・アプリケーション向けファイル・フォーマット仕様「Office Open XML(OOXML)」へのサポート確立を図る。

 Apache POIは金融サービスや企業の重要なアプリケーションに広く使用されているJavaライブラリで,「Excel」「Word」「PowerPoint」「Visio」に用いられているファイル形式を作成,編集,読み込みすることができる。OOXMLに対応したApache POIの新バージョンは2008年第2四半期にリリースされる見込み。

 MicrosoftはOOXMLの標準化を推進しており,ISO(国際標準化機構)に提出しているが,2007年9月の第1回投票では採用が見送られた(関連記事:MicrosoftのOpen XML仕様,ISOの投票で承認得られず採用見送り)。第2回の投票は2008年3月29日までに行われる。正確には,ISO参加各国は3月29日までに前回の投票内容を変更することができる。変更しない場合は前回の投票がそのまま継続となる。すでにISO標準となっているオープンソースのオフィス・アプリケーション向けファイル形式「OpenDocument Format(ODF)」を支持する団体や企業は,Open XMLに対する批判を展開している(関連記事:Microsoft OfficeのOpen XMLはISO標準になるか,再投票期限が3月29日に迫る)。

 しかしODFのエディタを務めるPatrick Durusau氏は,OOXMLの標準化を重視するよう呼びかける声明を3月24日に発表した。同氏は,OOXMLが承認されなかった場合に,Microsoft向け製品を手がけるベンダーのほか,ODFにとっても損失になると主張している。例えば,現行のODFにはスプレッドシート関連の定義が無いが,多くの主要な財務資料がExcel形式のスプレッドシートを使っている。また,ODFはMicrosoftの従来のフォーマットに対応していないため,OpenXML無しでは,そのようなレガシーなドキュメントに対する権威的な定義を行えないとしている。

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