米Intelは,米国および欧州で発展途上国向け教育用サブノート・パソコン「Classmate」の消費者向け販売を開始し,ノート・パソコン「XO」や新たに現れた超小型パソコンとの対決姿勢を強める。ただし,新製品のポータブル・パソコン「Classmate 2」を消費者に直接販売する計画を立てているわけではない。Classmate 2の設計ライセンスを複数のパソコン・メーカーに提供するのだ。

 IntelのClassmateは非営利団体One Laptop per Child(OLPC)のXOと同様,そもそも発展途上国の子供を対象とする教育用パソコンであり,政府や教育機関を介して販売されていた。ところが2007年になり,様々なメーカーが同じような価格と大きさのパソコンをリリースし,多くの消費者から人気を博したため,IntelもOLPCの後を追って一般向け販売に踏み切ることにした。

 Classmate 2の設計はまだ最終決定していないが,米国における価格は250~350ドルだろう。現行版Classmateは小さな子供向けの形状を採用し,Intelのモバイル向け超低電圧版プロセサ,7インチ・ディスプレイ,1Gバイトまたは2GバイトのRAMを搭載している。新型Classmateは多様なサイズで登場し,何らかの形でWindowsを載せると見られる。なお,Intelはこの種の機器に最適な「Atom」プロセサ製品系列を先ごろ発表したにもかかわらず,新しいClassmateには引き続き既存プロセサを使うという。その先の「Classmate 3」ではAtomを使うだろう。

 低価格ウルトラ・モバイル・パソコンに対する現在の人気は,台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の「Eee PC」がきっかけだ。Eee PCは意外にもヒットし,OSがLinux,バッテリ駆動時間が比較的短い,スモール・フォーム・ファクタという障害があるにもかかわらず数千台売れた。Eee PCの価格は250~400ドルで,構成によって異なる。ASUSは2008年中にWindows版Eee PCをリリースする計画だ(関連記事:Eee PCの知られざる真実)。OLPCは2007年末のホリデー・シーズン中に限り,XOが1台売れるごとにもう1台を発展途上国の子供一人に配布する慈善活動の一環として,米国/カナダでXOに400ドルの値段を付けて販売した(関連記事:「1台提供して1台入手しよう」,非営利団体OLPCが活動を2007年末まで延長)。XOのターゲットがClassmateと一部競合しているため,発展途上国向け販売の成功は極めて限定的だ(関連記事:100ドルPCのOLPCが,IntelおよびMicrosoftと仲たがいしている理由)。

 IntelのClassmateもOLPCのXOと同じく,もともと一般向けには販売していなかった。しかし,今ではインド,インドネシア,メキシコの小売店に並んでいる。