米Iomegaは米国時間2008年3月17日,米EMCから買収案の条件変更に関する法的拘束力のない意思表明を新たに受け取ったことを明らかにした。EMCはIomegaの発行済み株式約5480万株を1株当たり3.75ドルで取得する用意があるとし,提示額をこれまでの3.25ドルから引き上げた。
Iomegaは1株当たり3.25ドルの買収案を受けた際に,「昨年ケイマン諸島のExcelStor Great Wall Technologyおよび中国のShenzhen ExcelStor Technologyとのあいだで交わした提携より優れた提案になるとは思えない」として拒否していた(関連記事:EMC,総額1億7800万ドルでIomega買収の意向)。
Iomegaは2007年12月12日に,株式交換方式による事業統合についてExcelStorと最終合意に達したことを発表している。Iomegaは同社株式の約60%に相当する約8400万株を,ExcelStorの全株式と交換する。ExcelStorはハードディスク装置(HDD)の設計,開発,製造,販売を手がけており,中国大手Great Wall Technology(GWT)の子会社だ。ちなみにGWTは中国政府が運用するChina Electronics Corporationの間接的な子会社である。
今回,提示額の変更を受け,Iomega取締役会は「十分に優れた提案」と判断。同社がEMCに情報を提供し,EMCとの交渉に臨むことを承認した。IomegaはEMCと交渉に入ることについて,ExcelStorには3月14日に通知済みだという。
なおIomegaは,EMCが同様の条件のまま最終的な提案を行うかどうかは不確定であり,合意に達するとは限らないとしている。また両社が最終合意に達したとしても条件が変わる可能性があると付け加えた。
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