米Microsoftは2008年3月12日(米国時間),企業向けデスクトップ仮想化管理ソリューションを手がけ,イスラエルを開発拠点とする米Kidaroという小さな企業の買収計画を発表した(関連記事:Microsoft,デスクトップ仮想化技術の米Kidaroを買収へ)。現時点で買収金額は不明だが,イスラエル系ビジネス誌の報道によると1億ドルという。Microsoftはこのところ仮想化技術に多額の資金を投入しており,包括的な仮想化ソリューションをそろえるようになった。

 Microsoftジェネラル・マネージャのShanen Boettcher氏は「Kidaro買収は当社の仮想化戦略にとって重要な意味を持ち,企業ユーザーのデスクトップ環境最適化に役立つ強力な新しいツールの提供が可能になる」と述べる。「Kidaro製品はシームレスなユーザー・インタフェースと管理機能を備え,企業内で仮想化ソフトウエア『Virtual PC』の運用と管理を省力化する」(Boettcher氏)。

 KidaroのソリューションはVirtual PCといったMicrosoftの現行製品と連携し,企業が仮想マシンの配布/運用/安全確保に利用する。さらに,ユーザーの混乱を招きやすい完全なパソコン環境でなく,アプリケーションを個別に仮想化してユーザーに見せる機能などを追加することで,Virtual PCを拡張できる。

 この買収については疑問が一つある。Microsoft以外の仮想化技術に対する今後の方針だ。現在Kidaroは米VMwareの仮想化製品にも対応しているものの,Microsoftがこのまま積極的にVMware対応を続けるとは考えにくいのだ。