米Yahoo!の「Yahoo! Search」製品管理担当ディレクタであるAmit Kumar氏は米国時間2008年3月13日,同社の公式ブログへの投稿で,Web検索アプリケーション開発プラットフォーム「Yahoo! Search open platform」を公開する計画と,各種セマンティックWeb仕様に対応していく方針を発表した。

 Yahoo! Search open platformは,Yahoo! Searchの機能をさまざまな形で活用できる「Enhanced Results」アプリケーションを作るための開発プラットフォーム。Yahoo!のAPIと検索インデックス経由で構造化されたデータを取得して利用するような,独自の付加価値を持つアプリケーションの開発が可能となる。数週間後にカリフォルニア州サニーベールで開発者向け会議を開催するタイミングに合わせ,Enhanced Resultsアプリケーション開発ツールのベータ版を公開する予定。

 セマンティックWebについては,まずhCard,hCalendar,hReview,hAtom,XFNなどのマイクロフォーマットに対応していく。Yahoo! SearchでDublin Core,Creative Commons,FOAF,GeoRSS,MediaRSSなどのボキャブラリを扱えるようにするほか,セマンティックWeb用マークアップ言語RDF,eRDF対応にも取り組む。

 Kumar氏は「Webコンテンツの意味を理解するというセマンティックWebは目覚ましく発展したが,一般的な消費者はデータWebで得られる恩恵を知らずにいる」と指摘する。「消費者向けのキラー・セマンティックWebアプリケーションが現れないので,Webサイト運営者はRDFどころかマイクロフォーマットなどの標準仕様の採用に難色を示してきた。我々はWeb検索こそがキラー・アプリケーションになると確信している。セマンティックWeb向け標準仕様に対応すれば,Yahoo! SearchとWebサイト運営者はより豊かで便利な検索機能を消費者に提供できる」(同氏)。

 また,Yahoo!は検索エンジンを外部システムから利用するためのRSSベースの仕組み「OpenSearch」にも対応する予定。

[Kumar氏の投稿]