WiMAXの業界団体であるWiMAXフォーラムの日本オフィス(関連記事)は2008年3月12日,2008年の活動方針を説明した。そのなかで,2008年内に日本でもモバイルWiMAX機器を認証するラボを開設する計画であることを明らかにした。

 モバイルWiMAXの特徴の一つは,機器のオープン性を志向している点(関連記事)。WiMAXフォーラムでは,機器の相互接続性を認証する試験を実施しており,認証済みの端末には「WiMAX Forum Certified」のロゴを与える。事業者は接続試験の負荷を軽減できるほか,メーカーにとっても開発した機器を多くの事業者に販売できるといった利点がある。

写真1●WiMAXフォーラム日本オフィスの副代表を務めるインテル研究開発本部の庄納崇主幹研究員
写真1●WiMAXフォーラム日本オフィスの副代表を務めるインテル研究開発本部の庄納崇主幹研究員
 現在,WiMAXの認証ラボは世界に六つある。例えば携帯電話やPHSなどの技術基準適合証明を行う,財団法人テレコムエンジニアセンター(TELEC)のような存在に当たるという。日本オフィスの副代表を務めるインテル研究開発本部の庄納崇主幹研究員(写真1)は「WiMAXフォーラムの最大のミッションは機器類の相互接続性を確保させること。そのために最も重要な認証ラボを,2008年に日本にも開設する方向で現在動いている」と語った。

 モバイルWiMAXの認証プロセスは2007年12月に開始済みで,すでに現在28製品の認証が申請されているという。庄納副代表は「2008年内には100程度の機器が認定を受ける見込み。2011年には累計で940程度の認定機器が登場する」という予測を示した。

写真2●WiMAXフォーラム日本オフィスの代表を務める齊藤忠夫東京大学名誉教授
写真2●WiMAXフォーラム日本オフィスの代表を務める齊藤忠夫東京大学名誉教授
 なおWiMAXフォーラム日本オフィスは,日本でモバイルWiMAXのビジネスが本格化することを受け体制を強化したことも明らかにした。従来の「技術・制度ワーキングループ」と「マーケティング・ワーキンググループ(旧:アプリケーション・マーケティングワーキングループ)」に加えて,新たに「認証ワーキングループ」と「地域ワーキンググループ」を新設。各ワーキンググループの人員を,これまでの2人から3人へと拡充した。

 WiMAXフォーラム日本オフィスの代表を務める齊藤忠夫東京大学名誉教授(写真2)は「モバイルWiMAXはWiBroを開始している韓国を除けば,世界的に横並びの状態。1年後にはもしかしたら日本が世界に先行している可能性もある」との見方を示した。